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2012年12月21日にゴーセンからNEWポリエステルガット「ILD(アイ・エル・ディー)1616L」が発売されます。

このガットは、ゴーセン独自の37島ポリ「海島型」構造とソフトポリエステルの融合により、テンションロスの抑制を長期間維持しつつ、ソフトな打球感、高反発をも持続させることが特徴です。

断面図を見ると、芯の部分が海に浮かぶ島のように、沢山の繊維からできています。ILDはこの「島」が37島もあり、島を意味する「IsLanD」を略して、商品名の「ILD」という名称がつけられました。

 
 こちらがILD16L IB(インディゴブルー)1.27mmの構造図!!

ILDの発売に際して、ゴーセン様のご好意により工場見学の機会をいただきました。
ガットの製造工程は滅多に見ることができないので、ご紹介したいと思います。

今回お邪魔したのは、ゴーセン天神工場。
場所は新大阪駅から車で40〜50分の、兵庫県加東市というところにあります。

こちらが天神工場の横にある研究開発センターの入り口。ここで新しいガットが研究開発されています。



天神工場は1954年の設立以来、テニス、バトミントンのガット、釣り糸、工業用ミシンの組糸などの製造で、70年近い歴史を持つ工場です。ゴーセンの歴史はここで育まれてきました。

工場長よりガットの製造工程について、一通り説明をいただいた後、いよいよ工場内部に潜入です!

まずは、芯糸を作る工程。

ガットの元となる原料はポリアミドやポリエステル樹脂チップ。見た目はプラスチックの粒みたいなものです。
容器に入れた樹脂チップを270度で熱し、溶けた樹脂を4mmの穴から押し出します。

この時すでに容器の中が紫色。この色は・・・!?

出てきた樹脂を水につけて冷やして安定させた後、今度は熱湯で内部まで一気に温めます。
こうすることで引っ張りの強度が高まるそうです。
その後再びヒーターで200度まで加熱、引っ張りながら徐々に速度を落としていくことで、
太さが固定されます。この工程で約1mmの芯糸ができあがります。

   
 冷やした後、熱湯で一気に温めます。
 引っ張ります。
   
 まだまだ引っ張ります!  ゲージの太さはセンサーを通って計測され、
奥にあるモニターに表示されます。
   この紫色の正体は新発売の
ILD16 VI(バイオレット、1.32mm)!


一方こちらは芯糸に巻きつける細い繊維(側糸(がわいと))を作っています。0.1mm程度の繊維なので細すぎて見えません・・・。

 


次は製紐工程。芯糸に側糸を巻きつける工程です。
芯糸に接着剤をつけた後、1本の芯糸に十数本の側糸を巻きつけていきます。1mmの芯糸に何十本も側糸を巻きつけるというのは凄い緻密さですね。

   
 数十本の細い線が側糸です。  左上から中心に向かう細い線が側糸。
円盤状のパネルに芯糸と側糸が通っていて、
芯糸に巻きつきます。
   
 こちらは芯糸の周りを側糸が回って
巻きつける方式。
 

次にコーティング工程。表面のザラザラをとり、滑らかな糸にします。
ナイロン樹脂を溶かしたものでコーティング、水で冷却します。
コーティング剤を付けた後、右側の水で冷却します。

コーティング剤を付けた後、右側の水で冷却します。


出来上がったガットを染色します。染色は30分〜60分かかるそうです。
いろいろな色に染めることができるんですね。

   


次はガットへの刻印です。文字の印字は一定間隔でノズルから吹き付けられ印字されます。

 
   


最後は検品です。この作業は機械ではなく全て手作業で行われます。手で触りながら異常がないかを確認していきます。プロフェッショナルですね。




この後にも物性検査やヒッティングテストを行い、ガットの品質を確認する工程があります。

ゴーセンの高品質なガットは、緻密な製造技術と人間の匠の技が高い次元で融合して作れられているんですね。
やはり「MADE IN JAPAN」は凄い!!

また、近日発売されるILD16ILD16Lは、研究開発4年間を費やし、15回試作とテストを繰り返して、ようやく製品化されたガットです。
これだけ満を持して発売されるILDはゴーセン自信作

皆様もぜひ使ってみて下さい。

取材にご協力いただいたゴーセンの皆様ありがとうございました。

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